花火

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 楽しみだったはずの夏祭り。  なのに、昨日のあの一言で、私の夏は終わった。 「ごめん。俺、他に好きな人ができた。ほんとに、ごめん」  もっと話を聞けばよかった。  もっと問い詰めればよかった。  結局、何も言えなかった私を置いて、あの人は去っていった。  去年、夏祭りの日に告白してくれた男の子。  今度の夏祭りで1年だね、なんて話もしたのに。  どうして。どうして……。  泣きそうになるのを堪えて帰り道を歩く。  今日の夏祭りは、行く気になれなかった。  人気のある花火も、見たくなかった。  去年のことを思い出してしまいそうで……  胸が、痛かった。
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