貴方は私の太陽のようで

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翌日の夕方、言われたとうに父親に着いて行くと、そこには沢山の墓が並んでいた。 もの珍しく辺りを見回していると、とある場所に呼ばれる。 「ここがその子の墓だ。」 「ここが...」 よく見かける墓石には確かに彼女の名前が彫ってあり、どういうことか周りには向日葵が数輪咲いていた。 「実はな、俺も同じ体験をしたんだ。あんまりこの話自体良く思われないから話したことは無かったんだがな。」 「父さんも、彼女のことが...」 言おうとしたが、それはあまり両者にとって好ましくない言動であることを理解した為、口を噤んだ。 きっと父も、言わんとすることは分かっただろう。 「同級生でな、そりゃあ笑顔が素敵な子だったよ。人懐っこい性格で皆から好かれてた。行動力もあって勉強もできて、俗に言う優等生さ。だからこそ、彼女の死は多くの人を悲しませた。」 いつ用意したのか、エーデルワイスを供えながらつづける。 「俺はその事故の後、彼女を探しに行った。その時彼女を見つけたんだ。死んだ筈の彼女を。彼女がそんな誰かを不幸にするような性格は持って無かった。俺はそれから墓参りを暫く続けた。その間彼女が俺の前に姿を現すことは無かったんだ。」 「きっと見つけて欲しかった、会いにきて欲しかったんだろう。」と言いながら、香りの良い線香に火をつける。その顔の表情は読み取れなかった。
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