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今、地球上を支配しているのは微生物や細菌類と呼ばれていた者たちだ。
数年前、この地球に止まない雨を降らせた種族がいた。確か人類といっていたと思う。
その人類は、自らが作り出したもので、自らを滅ぼした哀れで残念な種族だ。
その止まない雨は人類の暦でいう七月と八月の二ヶ月に及び、川は氾濫し、海面は上昇し、太陽が顔を出すことなどなかった。緑がなくアスファルトで覆われた街は、水がはけることもなく、全てがその水に飲み込まれてしまった。山などの高台に避難したものもいたようだったが、太陽の出ない日々、コンピューターの進化に楽をおぼえてきた人類には、サバイバルの知識などほぼ皆無であり、その過酷な環境に生き抜くことができなかったのだ。一人、また一人と命を落とし、地球に還っていった。
止まない雨が全てを飲み込み、そして全てを流し去り、後に残ったものはなにもなかった。
地球が生まれ変わり、新たな歴史を作ろうとしている。人類という哀れな種族に地球自身が三行半を突きつけたのだ。
微生物や細菌類は人類と違って過酷な環境下でも生存することができ、人類が絶滅した今の地球に生存していた。彼らがどこでどう進化して生まれ変わるのか、それは今の段階ではわからない。このまま進化をせずに微生物と細菌という形のままで地球を征服し続けるのかもしれない。
それはそれなのだろう。
遠い未来に再び人類が生まれる時がやってくるのだろうか・・・・・・
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