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タバコが電子タバコになり、その後発売されたＷ・Ｓは、専用の巻きタバコを特殊な水につけて吸う新感覚のタバコで、瞬く間に世界中で爆発的な人気を獲得した。特殊な水が有害物質をほぼ除去してくれて、火をつけずにそのまま吸うタイプのものにもかかわらず、タバコを吸った感が残るという優れもののＷ・Ｓは、今ではどこに行っても手に入らないほどの大人気商品だ。
「そういえば、今日どこかのお偉いさんが何か発表するってニュースで言ってたけど、もうすぐ始まるんじゃねぇか？」
店主は壁にかけてある透明の強化プラスチックのような部分をなぞると、リモコンの映像が浮かび上がり、それを操作してテレビのチャンネルを変えた。
『それではこの後、北野博士による記者会見の模様をお伝えします』
「そうそう、これこれ」
言いながら店主はＷ・Ｓをふかしながらフロアに出てきて、カウンターの空いている椅子に腰掛けた。
「これなんですか？」
小池は訝しげに店主に尋ねると
「あんた知らないのかぇ。なんだか世紀の発明とか何とか言って、すっげぇもん作ったらしいぞ」
「世紀の発明ですか・・・・・・」
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