超高気圧マシーン

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「そうだぁ。なんだか天気を操るだとか何とか言ってた気がするな」 「天気を?」 「まあよくわかんねぇけど・・・・・・ほらっ、もう始まるぞ」  そういうと店主は吸い終わったW・Sをティッシュの上に置いて、食い入るようにテレビに向かった。  どこかの会場が映し出され、長テーブルの前にもじゃもじゃ頭でスーツを着た男性が座っている。この人が北野博士だ。 『えーこの度、私が開発したこの『超高気圧マシーン・きあつめ君』は、近年地球温暖化の影響で、各地で起こっている異常気象を防ぐことができるものです』  そういう北野博士に向けて一斉にフラッシュがたかれた。 『この装置さえあれば、各地で猛威を振るっていた豪雨にもう悩まされなくていいんです。台風にも怯えなくていいんです。河川の氾濫も過去のことになります。我々はこのマシーンで平穏な暮らしを手に入れることができるようになるのです』    力強く言い切った北野博士は再びフラッシュの嵐に飲み込まれた。 「どういうことですかね?」  小池は残っている麺をすすりながら店主に尋ねる。しかし店主は何も答えずにテレビに集中していた。
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