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「ねぇ、聞いた話なんだけど屋上ライブしてるんだって?」
「そうだけど?」
着々と進む学園祭の準備を見ながら二人は歩いていく。
「俺が弾いてる所に人が来るだけ……」
「じゃあ、ギター巧いんでしょ?聞かせてよ」
潤がポケットから古びたハーモニカを出した。それを口に当てる。
廊下に綺麗なハーモニカの音が響き出した。それを聞き付けた人だかりが集まってきた。
「止めたらどうだ?歩きずらい」
「もう遅いから即興で合わせようよ?ね?」
潤が雄也を振り向いた。すると、雄也がおもむろにギターをその場で取り出す。
「カノンって知ってる?」
「知ってる」
二人が微笑んで同時にそれぞれの楽器を鳴らした。
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