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「――雄也、早く早く!!」
体育館に着くなり潤が雄也を呼んだ。何故かステージ上にいてマイクを手にしている。
「……何の用だ」
「昨日言ったじゃん、学祭でライブしよって。そのオーディションみたいのがあるんだって」
記憶を探るが、思い当たらない。そこで適当な返事をした。
「へー……」
無関心な雄也を潤はマイクで叱咤する。
「へー、じゃなくて!さっさとギター担いで来てよ!」
呼ばれ、面倒に思いながら雄也はステージに上がってギターを出す。
パイプイスに教育が何人か腰掛けて、こちらを見ている。そして、同じように体育館には何組かのグループがいて雄也を見て囁き合っていた。
「……じゃあ、先生。やるから、よろしく。雄也、何か有名なの弾ける?」
「有名なの?……そうだな。ビートルズでも弾くか?」
ストラップをしながら言い、雄也が言う。
「いいね!じゃあ、イエスターデイ!弾ける?」
「たりめーだ」
ボディーを4回叩き、雄也がギターを弾き始めた。
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