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女子の黄色い声を受けながら、その人物は入ってきた。目につくのは綺麗なブロンドの髪。続いて生徒と同じ制服。整った綺麗な顔立ちは中性的で明るい笑みが浮かんでいる。やや小柄な男だった。
「もしかして外人さん!?」
すると、その人物が答える。
「Hello. I'm Jun Keian」
英語教師とは比べられない程綺麗な発音だった。だが、次の瞬間。
「――って言うのはほんのジョークで日本語を普通に話せるよ。えと、親の都合でアメリカから帰国しました。父親はイギリス人で母親が日本人。父さんが社長やってるけど俺は継ぐ気はありません。よろしく」
慣れた口調で彼――慶安潤――は言った。女子から「格好いい」との声が囁かれる。
「説明にあった通り、慶安は日本人とイギリス人のハーフで事情があってアメリカの学校にいたらしい。仲良くしろよ」
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