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さらに季節が流れて雪溶けの季節になった。
そして白鳳家では騒がしくなっていた。
「――冬樹~。どこに居るの~?」
家の中を探す善。
「どした?」
それを見かけた雄也が善に尋ねる。
「冬樹がね、言うこと聞かないから叱ったら逃げちゃって……。靴はあるから家の中だと思うんだけど………」
「世話ばっかかけやがって……。まぁ頑張れ」
言って雄也はスタジオに行ってしまった。だが――
「――ここに来たか、お前……」
スタジオに冬樹がいてソファの裏に隠れていた。
「………内緒にして」
「分かった、分かった……」
返事をして雄也はキーボードを弾く。中古で買った安物だが、それなりの音は出ている。
「善が探してたぞ」
「うん……」
「謝ってこい、あいつ執念深いから後でねちねち言われんぞ……」
言うが冬樹は首を横に振る。
「――冬樹、見っけ!」
スタジオに善が入ってきた。
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