転校生

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つまり雄也が言っているのはソロがいいと、他に合わせるのは好まないと、そういう事だ。宗司はため息をしてから雄也の前にあぐらで座った。 「一曲、頼むわ」 罰の悪そうな顔をしながら宗司が言う。 「……」 静かに雄也はギターを弾く。放課後の穏やかな屋上から温かい音が鳴り、吹き抜ける風に乗ってメロディが流れた。 聴衆はたった一人だが雄也は心を込めて弾いていく。柔らかなアコギの音が校庭にまで響く。風が音を乗せてどこまでも響いていく様だ。歌はなく、純粋なギターが流れた。 「――終わり」 やがてギターを静かに片付けて雄也は言った。
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