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目が覚めると激しく振っていた雨はやんでいて私は小さな水たまりを残す乾いた地面に裸で横たわり魔華はどこにもおりませんでした。
ぼんやりする頭のまま体を起こした私は自分の下半身を見てギョっとしました。
夢でなかった証が多く残されていたからであります。
体を起こしたら下半身から樹液が漏れ出してくるし土で汚れたドロドロの褌が近くに捨て置かれてるし腰の重怠さと受け入れていた場所もジンジン痺れていて何かが挟まったような感覚がぬけておらず、何よりも腹が少し膨れているようでありました。
妊婦のように出てはいないものの、このまま普通には生活できそうにはありません。それに―…
と腹を撫でて考えて、まず体と着物などを洗おうとヨロヨロと立ち上がり水がありそうな場所を探して歩きだしたのですが・・・
何故か水のある方向が分かる気がしたのでございます。
勘のようなそれを信じて歩けば水音が聞こえて小さな滝つぼを見つけることができました。
冷たい水で体と頭を洗い流し(体内は怖くて触れることも洗うこともできませんでした)着物の水を絞っていると、どこからか甘くてイイ匂いがしてお腹のなかにあるアレがキュンキュンと疼きだし、覚えたての快感を求めるように着物を手に持ったままフラフラとその匂いを辿ってだんだんと濃くなる匂いに反応して洗ったばかりの褌をまた汚してしまいましたが気にならないほど早くその匂いの場所へ行きたかったのでございます。
そうして行き着いたのは私を襲った魔華よりも大きな魔華の花でございましたが私は逃げることなく進んで魔華の伸ばされた蔓に身を任せることにいたしました。
ああ、はやく私に雄蕊を挿入してまだ見ぬ快楽を教えてくださいまし。
アレに大量の樹液をそそがれる享楽を思い浮かべて恍惚とした表情で魔華を見つめておりました。
了
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