いたずら心

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いたずら心

 現さんと向き合った私は、  セーラー服を捲り上げ、  胸をはだけて、  スカートをめくって、  パンツも丸見えにした。  現さんを困らせようとしての、単純ないたずら心からだ。  「私の体いかがですか?」  座ったままの現さんの表情は、前髪の所為でうかがえない。  これじゃつまらない!  現さんの表情を(あら)わにしたくて、その対価として。  私は私の心をもう一段強く(さら)け出すことにした。  「薄汚れた体ですが……  現さんの……オ、オナホドールに使ってください」    こんなまみれの薄汚い体を、心の綺麗な人に捧げるには、これぐらいの下卑た呪文(スペル)が必要だろう。  現さんは、ホームレスであまり体を洗ってないが、そんなことは関係ない!  本当に心の綺麗な人なんだ。  毎日ホテルのシャワーを浴びてる私の方が薄汚い、それは、よーく私が分かっている。  「私、傷の手当のお礼ってこれくらいしか思いつかないから……」  これは本心、そして半分言い訳。  お礼の価値が自分の身体にあるかどうかも、分からない。  そして、確実に私は現さんを感じていたい。  もしも、どんな形でも、抱いてくれたらそれは私へのご褒美。  多少、普通に聞こえる耳障りがイイだけの言い訳、つまりはごまかし。  私は、罪悪感から、もう一段高いボルテージの声で、  首を振り顔を背けながら、叫んだ。  「よろしか…ったら…私の穴ぼこ…使!」  カーッ恥ずい、、、  私は耳まで真っ赤になった。  現さんもきっと顔を真っ赤にして……、    え?  現さん?!!!!!!!    いきなり唇を奪われて、そのまま押し倒された。  そこからは怒涛の嵐。  翻弄されて、男の欲望の全てを、叩きつけられた!  朝から始まったその行為は、陽光の照らす影が短くなるまで続いた。    疲れてダランとテントにの床に伸びた私の、手をグイっと掴んで引き起こし、そのまま後背位で現さんが入ってきた時は、頭の中でフラッシュが光った。腕を掴まれての挿入は正直効いた!  もの凄く奥で現さんを感じた!!!!  私は声を押し殺すの必死で、何回も光った脳内閃光に恍惚とした。    それでも、行為をやめない現さんに、私は翻弄された。  頭はガンガン、  息は窒息しそう。  腰はグラグラ、  多分果てると思う…。  私、現さんバカになっちゃう…。    気が狂いそうな感情のほとばしり、好きな人に征服される快感。    …もう死んでもいい。  心底そう思った。      私は現さんに寄りかかって気を失っていた。  薄れた意識の中で私をのぞき込む彼の目を見つめた…。  うざったい前髪が隠していた、その双眸には、  確かな慈愛の感情が宿っていた。  その日も学校には行かなかった。  私の居場所はここにしかない……………!  もう毒親の待つアパートを無理に、  自分のいる場所と思わなくていいんだ。  私は初めて毒親から解放される感じがした。  至福……。
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