私の体が汚れていることを忘れてもいいですか?

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私の体が汚れていることを忘れてもいいですか?

 でも……。  たとえ、現さんに抱かれて(愛されて)も。   私の体は汚れている……それは消えない事実だ。    お母さんのクスリ(覚せい剤)代の為に、さんざん咥えて挿入されて、  要らぬ経験値は、優に三桁を超えて現在も上昇中だ。  私の体には、色んな男の人のドロドロとしたものが、注がれてきた。  だから、私は私の体が汚れているとしている。  女の子の体は、性欲のはけ口に使われる。  それが分かったのは毒親(お母さん)の所業では無く、    図らずも自分自身の存在価値(レーゾンデートル)からだった。  私はそうゆう星のもとに生まれて来たのだろうか?  だったら、  『生きるのやめてみようかな♥』  最初に汚された事件は、今でもはっきりと覚えている。  あれはまだ、小学校に通っていた頃。  藪の中に連れ込まれ、男の人に奉仕を(うなが)され、  。  私の唇はキスの味の前に、精液の味を覚えさせられたのだ。    今から思えば、まだ大学生ぐらいの未成年者だったのだろうが、  その時の自分にとっては、確実に大人(母と同じ)だった。  だから、とぼとぼ一人ぼっちで人気のない道を歩いていた私は、  簡単に大学生の男に、言いくるめられて、道から見えない藪の中に、連れ込まれた。  そこからは、訳も分からず言いなりで、  命令されるがままに体を動かしたんだ、自動人形(ダッチワイフ)のように。  突き動かしたのは、恐怖ではない。  大人の命令には従順に対応する、条件反射が、その時にはもうできあがっていたからだ。  毒親の機嫌を伺いながら、生きてきた10年間が私の思考を縛る。  大人の望む自分を演じなければ、酷い目に会う自分が待っている。  大人から与えられる苦痛は、体も心も蝕む。  私は私を守るために、本当の自分と大人に見せる自分を使い分けて、  生きてきた。  今までも、これからも、きっと。  あの時、大学生にはそこをつけ込まれた。  逆らえないタイプと認識されてしまったのだ。  きっと、ずっと前からロックオンされていたに違いないが、    私にとってこの不幸、単なるアクシデントに収まらなかった。  もっと、私を傷つける(壊す)前哨戦に過ぎなかった……。  幼い私は、もちろん自分が大学生に傷つけられたことを、  保護者である母親に伝えて、傷を一刻も早く(いや)したかった…。  家路を急ぎ、玄関のドアを開けた。
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