第三十話 薬じゃなくて補助食品デス  

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第三十話 薬じゃなくて補助食品デス  

「なんだか俺の店負けちまうぜ」 「ハハハ、これからもチーズや毛糸はおろすさ、これからも頼むよヨハン」 「セリア、じゃあこれだけ、ギルドに登録する」  そこに並べたのは家で作った紙に書かれたもの、なんだかうれしくなっちゃうな。 それでもちゃんとしたものは、動物の皮なんだよね、これってどうやって作るのかな? 「悪いな」 「いや、いや、ただあの子は・・・」 「でも、十五までだ、それまで頼めるかな?」 「こっちはいい、ギルドにも登録さえすれば、この先ずっと作り方はわかるからな」 「ありがとう、これからも頼むよ」 「こちらこそ」 「よし、これで以上かな?」 「うん、でもね」 「でも?アー、試しの薬かい?」 薬じゃない。 でもお薬みたいなものなんだろ? こくんとうなずいた。 父さん、チャームが試してほしいのがあるんだって! 「さて、また変わったものが出てきそうだ」 「すまないな」 「何いいってこった、チャーム、どれだ?」 まずはヨーグルトです、みんなが目を丸くしました。 「うまい」 「これが酒になる前」 「なんだかもったいないことしてたんだな」 おなかの薬、整腸剤です。 ほーという人たち。 次はくずを使った加工品です、ジャガイモをふかしておもちにして、干して、またゆでて水につけてでんぷんだけを取り出したもの、片栗粉もどきを使ってくずもちを作り、細長く切ったものを干した透明なものを作りました。 葛きりです。 「ほー、透明だ」 「こりゃすごい」 「これをゆでて、柔らかくなったら冷たい水に入れて、これをかけて食べます」 「お、チャームの黄な粉、この黒いのは?」 「シュガーは高いから、ブラウンシュガーの固める前の物で、ブラックハ二ーってつけたんだ」 黄な粉は、大豆があるので、それで作りました、大うけです。 ブラウンシュガーと呼ばれるものは、麦芽砂糖のことで、麦の甘みでさほど甘くはありません、それよりははちみつのほうが甘いです。ブラックハニー、早く言えば黒蜜です。 「ああ、ブラウンパーローかでもこんなに黒くないぞ」 「えっとね、もっと前の捨てるのを煮詰めたの」 「捨てる?んー」 「食ってみないと分からねえよな」 ニコニコして、どうぞとできたものを出して様子をみています。 「ん!」 「これは!」 「あまーい、なにこれー!」 「捨てるのが、甘いなんて」 へへへ 夏の食欲減退にどうぞ。 親指を上げる人たち。
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