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おまけの話5デス
俺は寝るまで金貨を眺めていた。
父ちゃんは初めてのお金に目を輝かせてる俺たちに、ちゃんと話をしてくれた。
お金持ちになったような気になるけど、これでも使えばなくなる、これからは食べるだけでもお金が出て行ってしまうという。
それでも、チャームのあんなものがこんなお金になるんだもんな、すごいな。
それに俺も小遣いをもらった、好きなものを買ってもいいと言われたけど、俺にはまだ使い道はなさそうだ、父さんに話して貯めようと思う。
チャームはほしいものがありすぎて困るというが、お金にするためには材料がいるということを言っていたからな。
まあどうなることか?
隣の部屋からは、まだごそごそ音がしているが。
トントン。
ん?
「誰?」
「お兄たん」
チャームです。
「どうした?」
眠れないというのです。
まったく。おいでと一緒のベッドに入ります。
「山の下なのに、ちっともあったかくないんだもん」
「寒いのか?」
「…それだけじゃないけど」
「ハハハ、怖いのか?」
「ムー、真っ暗すぎるんだ」
「まっくろくろすけが出てくるのか?」
「もう、いないもん、寝る、お休み」
おやすみ。
こりゃ、当分一緒に寝る羽目になりそうだ。
明日も早いぞ。
ふわー。
俺も寝る。
春、行商人たちが来て開かれる市場、それまで俺も退屈している暇はなさそうだな。
隣でクークーと眠る妹の寝息を聞いていたのだった。
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