第三十三話 問題はハエです

1/1

125人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ

第三十三話 問題はハエです

そして、もう一つの問題があります、それはトイレです。 一度外に行きます。 ボットンは上もそうなので覚悟していましたが、すごいハエです。 その量を見て思い出したのは、小さな赤ちゃんの目の周りにびっしりついたハエ、なんでこんな映像を思い出したんだろう? なんでだ?メモ、メモ。 首からぶら下げたものに書いていきます。 ただ一つ感心したのは下水施設があり、水が流れているのがわかります。 「でもな、こればっかりはな」 家の中でもハエは飛んでいます。 だから食べ物の周りをハエが飛びますが、仕方がないとしか言えません。 それでも、うちにはハエを取るものがあり、食べ物には、小さなかごをかぶせてあります。 「竹がほしいなー」 【バンブーの事かい?】 声がしてみ上げました。 「大きな木、こんばんわ、あなたは誰?」 【俺は楡木(にれ)それでもこの変じゃひよっこだ】 【そうだね、お前さんはまだまだだ】 その声はリンゴです。 「リンゴさんはいくつ?」 【女に年は聞くもんじゃないよ】 「ごめんなさい、怒られちゃった、でもバンブーはあるの?」 【ああ、もっと南に行けばある、ここからなら歩いて四日かな?】 えーそんなに! でも何にするんだ? 「竹はいろいろ使えるの扱いやすいし」 【へー、そうだな、行商人のクーパーに聞いてみなよ、彼は材木なら何でも運んでくれる、お金は相談次第だろうけどな】 クーパーさんという人は材木商のようです。 「お金がらみか―」 下から、やいやい、いう声がして覗き込みます。 【チャーム、あんた私の子供たちを取ってどうするきだい?】 「リンゴさんの子供たちはおいしいからいろいろ使えるんだ」 【ウソだろ、初めて聞いた】 そういったのはミカンさんです。 「ミカンさんも使えるよ、パパの好きなお酒になるだろうし、おかしにも使える、それにチーズにも」 ミカンて俺のことと言ってます。ワタシャリンゴだってよ。 【ねえ、チャーム、パパ?誰だいそれ?】 え?父ちゃんのことだけど? 【お前変わってるな?聞いたことねえや】 うそ。いろいろやらかしてるな。気を使ってパパママと呼んでいたけど裏目に出たかな? ママも? なんだそれ?と言われました。 うわーやっちまったか。 「明日から、父ちゃん母ちゃんて呼ぶわ」 その方がいいな。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加