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第三十九話 発見!砂時計デス
今とりだした枠だけ持って家の中で作業です。
「こうして、へらで少しだけ削って」
おっかなびっくりやる、それでも蜜はたっぷり滴り落ちる。
落ちたら布でもう一度越して汚れを取り、入れ物にいれたら、ふたをしないで鍋に並べ、水を入れて沸かす。
「沸かすのか?」
「うん、いくら布で越してもダメ、熱を加えて殺菌する、夏なら十分冬は二十分煮る、熱いうちにふたをしてそのまま冷まして出来上がり」
十分?
ああそうだ、時計がない。
「クーパーさん砂時計はある?」
母ちゃん?
「ああ、二番目に短いやつな」
それを二回ひっくり返した物が夏、今は四回だと言ってくれた。
うちにもあるの?
あるという大事なものだから父さんたちの部屋にあるんだって。
「これは一年もの、こっちは半年だけど、熱を加えていないものなの、比べてみて」
と母さんが出してくれたもの。
「うわっ、なんだこれ、べーっぺっぺっまず」
「ね、ダメなの、でもこっちは見て平気でしょ」
「あー本当だな、これはすごいな、これはコルクじゃないな?」
「うん、鉄の板の裏にコルクを張り付けた、開ける時、すご-く、力がいるけど、ずっともつんだ」
「それでも一年もちゃいいか」
「そうだね、そうだお母ちゃん、蜂の子ある?」
「あああるよ」
小さな蓋つきの入れ物を差し出しました。
「鍋で炒っただけなんだ、食べてみて」
開けると、プンと蜂蜜の匂い、そして得体のしれないもの。
いやそうな顔、私は手のひらにそれを出し、お母ちゃんとつまんで見た。カリカリ、サクサクと音がする。
「んーえい、ん?あれ?うまいな」
「でしょー、もう少し食べる?」
「オウ、結構病みつきになる味だな」
「はちみつだもん、おいしいよね」
なんではちみつがほしいのか聞いたら、なんと私のヨーグルトとセットにするためなんだそうです、ありがとうです。
ヨハンさんのお店で売っていて、家庭でも作れるけど、はちみつだけはこれからもっと売れるからなというのです、考えてなかった。
叔父さんに砂糖の話をしました、するとやはり気候の問題で、この辺は作れないだろうなと言われました。
温かいところにもっと行けるようになれば問題はないが、何せ今は、ある程度の商品を持って歩かないと行商人さんたちも大変みたいです。
なんでと聞いてみると、どうもあちこちで、交通税なるお金を取られるようで、それだけでも大変なんだって、だからちゃんと売れるものをもっていかないといけないんだそうです。
大変だな。
おじさんは手押し車と、背中に箱をしょって山を下りて行った、手押し車は家においてくれればいい。
私は冬に蜜蝋でろうそくを作る、その材料が結構集まりつつあるのだ、へへへ。
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