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おまけの話6デス
パソコンをかったのはいつのころだったか?
はじめはネットショッピングに使うぐらいで、今じゃリモートと呼ばれる会議、本部からの集まりなんかで使うようになった。
ラインやメールも必要になり、携帯電話もガラケーだけでは無理で、それこそ、国の陰謀じゃないだろうか?と思わせるようにスマホへと切り替えた。
若い男の子に、遅いっすよ。と言われつつも、わからないことを聞くだけで、おばさんの周りには人だかりができて、その時は結構楽しかったんだよな。
あいつ今頃どうしてるのかな?
思い出したところでどうにもならないし。
この世界に私の家族は新しくいるわけだから。
んー。
んー。
隣でうなされている妹を起こした。
「チャーム、チャームおきろ!」
はっと息をして、起き上がった。
「イケメン」
「お前おきると必ず言うよな」
そうかな?
トイレ行く。
これも慣れた。
今までション便や大をしてくると言っていた場所に名前が付いた。
俺も一緒に行く。
靴下のおかげで足は冷たくない。
目をこすりながら階段を降りていこうとした。
「兄たん明かりつけて」
チャームが作ったろうそく、これだけでだいぶ明るい。
部屋に戻って布団に入る。
身体があったまってくるとすっと眠った。
「チャーム、お前は何が怖いんだ?」
夢でうなされるのは大人になってからだと父ちゃんに聞いたけど、チャームのは、かわいそうになる。
それは言葉を言えるようになってからの寝言だ。
「嫌だ、怖い、死にたくない!」
何度聞いただろう。
そのたびに手を握ったり、抱きしめて背中を叩いてやったりした。
イケメンはいい男の事らしい。
父ちゃんが一号で、俺は二号なんだって。
本当に変わったことをいう奴だもんな。それも慣れたけどな。
さて、俺も寝る、まだ外の木々たちがおこしに来るまで時間がありそうだ。
チャームの首にはばあちゃんのところにある花を挟んだ紙の束、メモ帳と言っていた。
そして俺には、スケッチブックと言って、カバンに入る紙の束をくれた。
俺は牧場に行くと絵をかくようになった。
チャームは俺の絵は天下一品なんだと言っては、きれいだなーといつも言ってくれるのだった、また明日も書いて見せてあげなきゃな。
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