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第四話 物語ではありませんので“注意”デス
田舎が嫌だった?
どこだろう、最後に住んでいた場所はわかるのに、名前や生まれた場所、両親、たぶんいたであろう兄弟の事は思い出せない。
見回せば、いや父さんがくるくる回っているからなんですが。木、山、木、木、山、まるでハイジの世界。外国です、父と兄が着ているものはペーターです。母はアルプスの少女です。
ツギハギだらけの服が貧しさを強調しています。
マジで、ヤギと生活してます。
ウソー!
ガクッ。
「寝た寝た」
「これで静かになるわね」
いえ、寝てませんから、がっくり。
気絶です。
物語の中、転生者の設定はほとんどが両親のいない孤児、独り者か目が覚めたら異次元だったという物語で始まるのでしょうが…。
こればかりはリアルです、今が現実です。
神様がいて、スキルが与えられ、社会的ステータスがもう存在して。
あー、もう、ゲームなんかしたことないから訳わかんない!
とにかく今は過去の私をとどめておかなくてはとの思いで必死です。
私の見る範囲は決まっています、いろんなものが見たいのに、いつも上ばかり、たまに抱っこされ周りを見ることができます。
この世界は物語の中なのでしょうか?
見るものすべてが、ハイジの世界観。
丸太小屋、ヤギ、草、山、見渡す限りの山、山、山。
そして大きな木。
何もない世界です。
家の中にはテーブルと丸太を切っただけの椅子。
台所?
昔の窯、オクドサン?薪を燃やしています。
水…桶ですねー。
本当に異世界なのだろうか?
何せ言葉がわかります。
私は言えませんが理解できます。
紙おむつ、ありません?おむつ、それすらないので裸です。
ただの布に巻かれています。
クシュン!
また人がきました、老夫婦です。
一緒には住んでいないようです。
「アム、アム」
おばあちゃんはいい匂いがします。
ばあちゃんと抱き着くお兄ちゃんが何かをもらって食べています。
それだけで幸せそうです。
何かを話しています。
山を下りるような話をしています。
寒い季節が来るようです、ということは、私が生まれたのは秋。
この国でチャームとは、秋のことを言うようです。
それも残念な感じだよねー。
クシュン!
冷えてきましたが、これが当たり前なのか、すっぽんぽんで抱かれてます。
ハ~、この先、大丈夫かな?
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