おまけの話7デス

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おまけの話7デス

「なあアルべ、妹の足にあるもの、ありゃなんだ?」 ああこれかと言って俺は見せた。 「靴下だ、これでもう足の裏がすれて痛い思いをしなくて済む。 「夏は裸足でいいけどな、春先や秋は、足の裏が痛いだろ?」 「そうなんだ、硬い新芽なんかが出てきて踏んだら最後痛くてよ」 ギルドに登録してあるんだと、脱いで見せた。 「母ちゃんが作ったのか?」 「チャームだよ」 「へー、やっぱり変わりもんだ」 「あいつはグルーナと話ができるからな、冬は暇じゃなくなるかも」 「えー、遊べねえのかよ」 「遊ぶさ、早く雪が降らないかな?」 「雪投げ?」 「そこはソリだよな」 「クックックッ、今年はもっと楽しいのができるかも」 なんだよ! 教えろよ! それは、雪が降るまでのお楽しみ! 「ただいま、父ちゃんは?」 裏でチャームと何かしてる。 俺は急いでいった。 「これを切ればいいんだな」 「うん」 「父ちゃん、スゲー、これがバンブーン?」 「ああそうだ」 「チャーム、あれは、あれ!」 あれ? 「スキーだよ、スキー」 「ああ、まだだよ、一番太いのじゃないとね」 俺は待てないからと自分で作ると言って父さんに切ってもらったんだ。 火にかざし、ぐっと曲げてやる。 「ほう、加工しやすというのは本当のようじゃな」 上を持あげると? 「トムじいちゃん!」 近所のおじいさんです。 父ちゃんは今年もお願いしますと頭を下げていた。 「なにを作るんじゃ?」 「スキーだよ、雪が降ったら遊ぶんだ」 「ソリの下の部分か?」 それに近い、足にはめるものなんだと話した。 父ちゃんは急がなくても間に合うというけど、俺はソリよりもこれのほうが断然面白そうだからと、スキーづくりにはまったんだ。 早く雪が降らないかな?
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