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第七話 イケメンパラダイスです
パチッ!夢?
今見える景色は、丸太が積み重なっている?
家の中か。
「んーアばば、ぶーぶう、ブウ」
やはり言葉にはならないか。
隣を見ると…ドキン!
イケメンです、その顔を触りました。
金髪のまつげ、そばかすは若さゆえでしょうか、ハ~、可愛い。いい男です。
んーと向こうを向いてしまいました。残念。
では体を動かします。
ドキドキです、いい男一号がいます。長いまつげ。整った眉毛と目。
鼻は高いし、唇はエロいです。
野暮ったい髭がなんとも言えません。
ぺち、ぺち、小さな手が顔を触りまくりです。今だけ私のものです。
目が開きます、青い目がほほ笑んでいます。
「チャーム」
いい声です。
私を抱くように腕が伸びてきました。
ああ、抱かれて、このまま、チュー。
「母ちゃんおきたぞ」
母ちゃんかよ。
「はいはい、おっぱいね」
アー、体が持っていかれる―、父さん、あんたをずっと見ていたいのに―!
いや、離れないのー。
はいどうぞと出されたものに、条件反射で吸い付く。
まあおいしいから許そう。
「んー」
「起きたか?しょんべんだな」
イケメンがション便…残念です。
めちゃくちゃいい男が方言を話しているようで、なんだかとっても残念で、ギャップ萌えはしません、それは親だからでしょうか?
私は、オールバン家の長女として、ここで育っていくのだ。
ただそれだけのことだ。
…残念。
どうもこの村はいい男女が多いみたいです。
鏡ありません。
どうするかというと、桶を覗きます。
それならば。レッツゴーです。
【アッハ―ン】
【いや―ン】
無視してハイハイです。
上を見上げると水がちょろちょろ落ちてきています。
水たまりです。
「あうあうあーあー」
覗き込みます。
驚きです、マジ可愛いです、これが私なんでしょうか?
親がきれいどころです、その二人の子です、間違いありません。
前の顔は覚えていません、ただ、豚だの、腐れ上司だのと言われていたし、あの人にも、もらってやったのが俺でよかったな、みたいなことを繰り返し言われていたみたいだから、いい顔ではなかったと思っています。
ずっと覗いていたいです。
バシャン!
「あー!」
何かの足です。
その足をたどっていくとー…。
「キャー!」
「ワン!」
犬です、犬がいます。ヨーゼフ程大きくはありませんが確かに犬です。顔は黑いのに胴体が白、ところどころ黑いブチ、足が黒くて、足首が白いです、お水を飲みに来たのでしょうか?抱き着きます、目の前が水たまりだというのを忘れて捕まえに行きます。
「ワンワン」
「こら!」
あー?
身体が持ち上がります。
ワンワンが遠ざかります。
「ア~!」
「もう、泥だらけ、メッ!」
イケメンに怒られました、萌ーです。
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