第五話

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「あっ、もしかして慎二が言ってた子ってこの子?」  不思議に思って見ていると、私の存在に気がついた女性は私に向かってニコリと笑う。 「私、慎二の彼女で角屋(かどや) 静香(しずか)って言います」  そう言うと宜しくねと、私に優しく微笑みかけた。話には聞いていたが、慎二さんの彼女さんはとても綺麗な人だった。 「こちらこそ、宜しくお願いします!」  私が思い切り頭を下げると元気だねと笑われた。 「私、この時間ちょうど仕事があるからあんまり来れないんだけど、早く帰れた日はこうやって差し入れ持ってきたりするの」  だから来た時は仲良くしてねとニコニコと笑って、私の顔を覗き込む。 「静香、あんまり星花ちゃん困らせんなよ」 「別に困らせてないわよ!」 「お前すぐグイグイ行くから」 「何よ! あんただってそうでしょ!」  慎二さんと静香さんが喧嘩をし始めて、和哉が止めに入る。 「こいつらいつもこんな感じだけど、仲良いから心配しないで」
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