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ふと静香さんが私の耳元でこう言った。
「星花ちゃんは和哉と付き合わないの?」
「えっ?」
余りにもいきなりの質問に動揺した。そんな私を見て静香さんは少し笑う。
「だって一緒に住んでるんでしょ?」
「住んでますけど……そんな関係じゃないですよ」
そう言うのが精一杯だった。静香さんは私を見て、また笑う。
「和哉、ほんといい奴だから……」
それだけ言うと静香さんは、和哉と慎二さんの方を見る。それと同時にライブは始まり、二人の声が耳に届いた。
静香さんは何が言いたかったのだろうか? 今の私には静香さんの気持ちまで汲み取ることが出来なかった。
路上ライブはいつも通り、大盛り上がりで終わった。今日は飲みに行かず、そのまま慎二さんと静香さんとその場で別れた。
和哉にご飯を作って欲しいとお願いされたので私たちはスーパーに寄ってアパートへと帰ってきた。
「いつも静香が来た時は飲み会せずに帰るんだよ」
「そうなんだ」
「あいつらも二人でゆっくりする時間もあんまりないだろうしな」
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