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俺はあいつらに気を遣ってあげてるんだよと和哉が上から目線な言い方をするから少し笑ってしまった。
「何笑ってるんだよ」
「ごめんごめん」
そう言って謝ると、和哉は私を見て頰を膨らませている。かと思ったらいつものようににこりと笑顔を見せた。
「こういう時、前までは一人でコンビニ寄って弁当買って食べてたからなんか虚しいなって思ってたけど……今は星花がいるから全然寂しくないな」
そう言って和哉は私を真っ直ぐと見た。私はそんな和哉から少し目を逸らした。
「そう……それならよかった」
ふと静香さんに言われたことを思い出す。
和哉と付き合うなんて私が出来るわけがない。こんな人間が和哉と関わっちゃいけない。でも、正直和哉と付き合ったら幸せだろうなと思ってしまっている自分がいた。
私が和哉に惹かれていることは、もう自分でも気づいていた。でも、そんなことあってはいけないと自分の気持ちに蓋をした。
分かっているのに……何だか少し胸が痛くなった。
「あ、あの二人って本当に仲良いんだね」
私は耐えきれなくなって話題を変えた。
「うん。喧嘩ばっかりだけど本当に仲いいよ」
いいよなぁと和哉が遠くを見ながら言う。
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