青い夏、君とプール

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きっと好きな人がいれば、何でもない今日みたいな一日だって夏の特別な思い出にもなるんだろうな。 「……そう言う武田こそどうなんだよ。好きな奴いるのか?」 「いない。……ていうか、実はこの年まで恋愛らしい恋愛したことないんだ。好きとか正直よく分かんなくて」 そう言うと、白い歯を見せクシャッと笑う彼。 ああ、きっと今お子様認定されたな。 「どんな子?澤谷の好きな子って。どこが好きになったの?」 横に並ぶ彼の顔を覗き込んだ。 「そうだな、楽天家なとこかな。嫌な事あっても最後は『まあいっか』って言っちゃう」 何かを思い出してかクスクスと笑う。 「ふぅん、他には?」 「いつも楽しそうに笑うところ」 「へぇ。いつから好きになったの?その子の事」 「……去年の夏から、かな」
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