研修センター

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「ごめん、遅くなっちゃって」  そういって現れたのは、平野さんと古賀さん。 「入口がすごく混んでて」 「そうそう、なんかだれか来てるみたいよ」 「そうなんですね」  私はそういいながら、2人と一緒に部屋の中に入ると、席についた。  李さんのことだろうか。 「ほかの人は?」 「まだみたいです。下で田中さんを見たんですけど」 「ああ、あの人。来るかしら。案外みんなミーハーなのね」  平野さんはそういうと、かばんを机の下に置き、「先に始めてましょうか」と会議の開始を宣言した。  PTAの業務範疇拡大。  今行っている登下校の付き添い以外にできることはないか。  それが今日の議題だった。 「先生たちのサポートをしなくちゃね」  平野さんはとても熱心だった。 「でも、なんでやることを増やさないといけないんですかね」  ふいに口にした私の疑問に平野さんは一瞥を加えると、「今どきの先生たちは忙しいのよ」。そういった。
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