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バスの中では、再放送だろうか。李さんが出ていた特撮映画が流れていた。
今日よりもうんと若い姿の李さん。それもそうだ。あれからもう何十年と時は流れているのだから。
それでも、姿は鮮明に目に焼き付いている。
変わらないものもある。
そう、それは、たぶん、憧れ。
その瞬間、私はぐっとこぶしをにぎりしめた。
やっぱり、あいつが憎らしい。
ふと窓の外に目をやる。そこにはこぶしをにぎった、自分の姿が映し出されていた。
あいつって、誰だろう。
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