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「そんなもん、何の役に立つんです?」  ポールは途方に暮れていた。 「浮気に役立つじゃないか」私はにやりと笑った。「いや、冗談だ。真面目な話、例えば戦闘機に使ってみろ、どんなレーダーでも位置か速度のどちらかがわからない。ステルスなんか目じゃない、完全なニンジャ戦闘機になるだろ」 「そうか……」やっとポールの目に理解の光が差した。「じゃ、来週の木曜にはどんな尾行をすればいいんですかね?」  私は肩をすくめた。 「どうしようもないさ」 「え?」 「相手は不確定性原理だぞ。もうどうしようもない。確かなことなんて、もはや何もないんだ」  その時、新聞を持って来たまま、傍で話を聞いていたデラが言った。 「ひとつ確かなことがあるわ、ペリー」 「何?」  デラはため息をついた。「ミズ・クローリィーがウチ宛てに小切手を切ることは絶対にないってこと」
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