1313人が本棚に入れています
本棚に追加
出会い アキ目線
はぁ、初出勤だ。。ちょっと緊張するな。
とりあえず恰好は大丈夫だよね。外資系だけど黒っぽい恰好していけば大丈夫でしょう。
証券会社でも私が就職したのは経理の仕事。
アジア各国にある証券会社の支店からシンガポールに請求書が送られてきてシンガポール支社で一気に処理していくのだ。
久々の英語。
多国籍の環境。
あぁ~帰ってきたぁー。私この環境にまた帰ってこれたんだ。あぁー幸せ。
直属の上司にあたるのは日本人の菜穂子さん。
三十代後半ぐらいで、面接でもお世話になったけどやさしくてとてもいい人。
大丈夫。私この環境だったら絶対にやっていける。
そんなことを思っていた矢先、「アキちゃん、フロアの紹介するねー。一緒に回ろ」と言ってくれた。
「ここが私達が働いている経理の部署」
「で、こっちに行くと財務の部署になって、私たちよりもっと細かく数字を見る人たちの部署になるかな」
「なるほどなるほど、了解です」
「あ、そうだこの財務の部署に2人日本人いるんだよ。紹介するね。」
日本人結構いるなぁ。まぁそんなに接点はないだろうけどあいさつぐらいはね。。
「タケさーん、哲平さーん。お仕事のお邪魔してすみませんー。
こちらアキちゃん。今日入ったの。よろしくね。」
「おぉー新人の子かぁ」「よろしくねー」って言ってくれたのはタケさん。
柔道でもやってたのかな。。がっちり体系で笑った顔が癒されるな。
「。。。」
哲平さんは無言だな。っていうかすっごいカッコいい。
いやいやいや、私みたいなのがお近づきになれるような人じゃないな。でも日本人て聞いてたけどハーフ?クオーターかな?
日本人離れしたすらっとした足。身長も高いし、バスケでもやってたのかな。
ていうか何でずっと無言なんだろう?
「よろしくお願いします。。」
初めましてで会話ないなんて失礼になっちゃうもんね。
「よろしく。。」
そっけない。でも、いいや。私みたいな地味系地味子はこういう人はそういう対応になっちゃうんだろうな。
初めましてのあいさつも終え、自分の席に戻る途中、菜穂子さんがおぼろげに話しかけてきた。
「哲平さん、カッコよかったでしょ~。社内でもかっこいいって人気なんだよ。部署内の子達はみんなあの俳優に似てるとかこの俳優に似てるとか噂しててすごいんだからー」
と言いながらクスクス笑っていた。
やっぱりそうなんだ。癒しのタケさん、ハイスペック哲平さんか。
社内案内も滞りなく終え、業務の引継ぎも就職当日からスタートした。
あぁー今日はもうパンクー。
一日目にしたらよく頑張れた方よね。
同じ部署の人もみんないい人達だし、仕事も楽しそうだし。
あぁー久々の充足感。明日からまた頑張ろう。そんなことを思いながら私は深い眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!