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その日から凛子ちゃんとの
恋愛スキルアップレッスンが始まった。
1日目の「目を見て笑顔で挨拶」
から大苦戦だった。
5分で達成できないと、
何度も延長を命じられる。
初日から6回も鳴らす羽目になった。
「こりゃ、先行きが不安だね。」
凛子はアメリカ人のように肩を上げて
オーバーリアクションをした。
「厳し過ぎるんじゃ...」
「何か言ったかな。」
「いえ、丁寧なご指導をありがとう。」
颯太の返答にニヤつきながら
上機嫌で「じゃーねーっ」と
言い残して消えていった。
女性の褒め方、女性の深層心理、
女性好みなファッション、
聞き上手な相槌のタイミング、
話の広げ方、デートの誘い方...
その後もたっぷりみっちり
叩き込まれていく。
嫌々始めた颯太だったが、
凛子とのやりとりが日課となり、
そのうち楽しみに変わっていた。
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