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翌日のレッスンテーマは、
「盛り上がりやすい話題の提供」だった。
「女の子はね、占いが好きなんだよ。
手相に誕生日占い、血液型占い。」
「占いなんてやったことないし、
出来ないよ。」
「颯太くんのこと、占ってあげるよ。」
「え、凛子ちゃん占いできるの。」
「もちろん。当たるって有名なんだから。」
得意げに両手の手のひらを
颯太に向けてかざして、
目を閉じながら何かを唱え始めた。
何やら本格的だなと思いつつ、
心の中を読まれている気がして、
極力邪念を払って無心を心掛けながら、
その姿をじっと見守った。
「おぉ、見えたぞ。」
その次に続く言葉に期待と不安を込め、
ごくりと唾を飲む。
「颯太くんは、最近幸せを感じているね。」
「いや、まぁ間違いではないけど、
随分とアバウトだね。」
溜めて真剣な面持ちで言い放ったものが
これだったので、思わず笑ってしまった。
もしもこれがテレビだったら、
ひな壇の芸人が一斉に転げ落ちている。
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