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さすがに言い過ぎてしまった、と
思った時にはもう遅かった。
消える瞬間、凛子の泣き顔が見えた。
でも、再び呼び出したところで
どんな言葉をかければ良いのか
分からなかった。
凛子が吐き捨てるように言った皮肉が
頭の中で繰り返し再生されて
心がモヤモヤとするが、
何よりも言い返してしまった自分に
呆れているのだと思う。
颯太は居ても経ってもいられず、
二つ上の姉に電話をした。
五つ上の兄も居るのだが、
昔から相談ごとは姉にすることが
多かった気がする。
「颯太もついに恋してるのかぁ。
姉としてはそういう話が聞けるのを
心待ちにしてたんだよ。」
電話越しでも伝わるほどに、
今日はとりわけテンションが高い。
内容が内容なだけに興味があるのだろう。
風鈴と凛子の関係についての説明は
あまりに非現実的なので省略したが、
これまでの経緯を全て話した。
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