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「きみ、見る目が良いね。」
風鈴に見惚れていると、
甚平姿の男性に声をかけられた。
髭を生やしているせいで年上に見えるが、
おそらく歳はそう離れていない。
「その子セクシーでしょ。
おまけにツンデレ。」
セクシーだとか、ツンデレだとか、
男の発した想定外の言葉に
思わず周りを見渡すが、
男は間違いなく風鈴を指差している。
「僕はただ和音が綺麗だなって。」
男はぶわっと吹き出すと、
颯太の背中を叩いた。
「またまたぁ。恥ずかしがんなって。
男はみんな好きだろ。」
普通は風鈴に対してもそういった
目で見るものなのか。
男の言うことは附に落ちないが、
恋愛経験の浅い颯太は
へぇ、と適当な相槌をするしかなかった。
「それ俺が作ったんだ。
推しメンだけど気に入ったなら、
きみにあげるよ。」
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