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翌日バイトを終えて帰宅したのは、
22時過ぎだった。
ちゃらん。
ドアを開けると、
高らかに風鈴の音が鳴った。
疲労感で存在をすっかり忘れていたが、
まるでおかえりと言ってくれて
いるようで嬉しかった。
「静かな家に帰宅した時」は
一人暮らしの寂しさを感じる瞬間
ベスト5に入るであろう。
「おかえり。」
今度はしっかり声が聞こえた。
疲れ過ぎか寂しさで
耳がおかしくなったのかもしれない。
いや、幻聴だけではなくて
視覚もおかしくなったらしい。
目の前に見ず知らずの女性が
立っていた。
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