風鈴

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確かに怪しい人には見えないため 一瞬騙されそうになったが、 勝手に家に居るのだから 怪しくない訳がないのだ。 「えっと、何で僕の家に居るのでしょう。」 「颯太くんが連れてきたんだよ。」 思いがけない返答に困惑する。 颯太には脳みそをひっくり返しても 思い当たる節が無かった。 「人違いじゃ無いでしょうか。 僕には女性との関わりがありません。」 「うん、そんな感じするよね。」 あっさりと返されてしまい、 こんなところで女性関係の無さを 暴露する必要は無かった、と 自分の発言にへこんだ。 「昨日連れてきた風鈴こそが私だよ。」 「意味が分からないのですが。」 「あ、そろそろかな。 説明しても信じないと思うから、 私が消えたらその風鈴鳴らしてみてよ。」 質問をしようとした瞬間、 宣言通り女性は消えた。
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