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さおりんの新兵器
「へんしーん」
いつものように俺は、変身前にテーブルを広げ、カップうどんにお湯を注ぎ、戦いが終わったら食べられるように準備をしてから、首に正義のしるし赤いスカーフを巻いた。
今日の舞台は街外れの採石場だ。くっそ暑い真夏の真っ昼間にベスパに乗ってここまで来たんだが、これだけで体力を消耗しているぞ。
だが「試したいことが有る。いつもの駅前広場だと怪我人が出るかも知れない」とレンズの入っていないダテ眼鏡を掛けながらさおりんが言うので、怖いから従ったのだ。
橘のおやっさんが産神博士にメールをしたから、怪人も採石場に来ることになっている。
さおりんは、橘のおやっさんが運転する軽トラでクーラーを浴びながら涼しい顔でやってきた。なんか腹立たしいぞ。
さおりんを降ろすとおやっさんは遥か遠くに軽トラを走らせ双眼鏡で俺たちを眺め始めた。老眼だから遠くから見るということなのか?
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