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少し暑さが残る9月下旬に僕は、都内の自宅近くに安いワンルームのマンションを借りて『占いの館』を開設し、インターネットの占いサイトで広告を出して宣伝した。
占いの館は、平日月曜日から金曜日の夜19時から22時と土曜日の13時から22時に開館した。
占いの館を始めてから最初の1週間ほどはお客様は来なかったが、はじめてのお客様は10月に入った土曜日の夕刻に来館した。
そのお客様は20代の女性で、身長は160Cm程度のスレンダーで、髪形は黒髪のロングで派手なメイクをしていない美しい顔立ちの清楚な女性といった感じだった。
「いらっしゃいませ!
どうぞお入りください。」
僕が部屋のテーブルの椅子に座っていただくようにお客様を案内し、僕はお客様の対面に座って話をはじめた。
「占いの館にお越しいただきまして、ありがとうございます。
私は占い師の『紫翠』といいます。
よろしくお願いします。」
僕が挨拶すると、
「よろしくお願いします。」
と少しおとなしい声でその女性が挨拶した。
僕は心の鍵をかけた状態で話をはじめた。
「私は人が考えていることを読み取ることができます。
試しにお客様のお名前と年齢を当てたいと思います。
声に出さずに、ご自分のお名前と年齢を心の中で思い浮かべていただけますか?」
女性は、
「はい」
と返事をして僕のお願いに従ってくれたようだった。
早速僕は心の鍵を開いて、その女性の心の中に侵入した。
女性は僕のお願いに従って、自分の名前と年齢を思い浮かべていた。
「お客様のお名前は、『水樹 柊花(みずき しゅうか)』さん、年齢は22歳です。」
僕が女性の名前と年齢を言うと、ぞの女性は驚きを隠せないようだった。
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