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1週間後の土曜日、水樹さんが占いの館に来館した。
「いらっしゃいませ!
どうぞ中にお入りください。」
僕は部屋のテーブルの椅子に座っていただくように水樹さんを案内した。
「この1週間は、どのようなご様子でしたか?」
僕が水樹さんの対面に座りながら話しかけると、
「封筒に入れていただいた紙に書かれた出来事が、実際に起きて驚きました。
それでぜひ、私の今後1年間のことを占っていただきたいと思って今日はここに来ました。」
と前回お会いした時とは違い、はっきりとした口調で僕の目をまっすぐに見て訴えるように発言した。
「分かりました。
それでは、水樹さんの未来を見させていただいてもよろしいですか?」
と僕が聞くと水樹さんは、
「はい、よろしくお願いします。」
と言って、頷いて了承してくれた。
僕はさっそく心の鍵を開けて水樹さんの未来を予知することにしたが、やはり1週間前に予知した時と同じように、水樹さんは2ヶ月後に自殺することになる。
僕は水樹さんがなぜ自殺するのか、その原因を探ることにした。
「少し時間がかかりそうです。
しばらくそのままでお待ちください。」
僕が問いかけると、水樹さんは頷いて了承してくれた。
僕が詳しく水樹さんの未来の行動を追っていくと、水樹さんは大切な恋人を亡くしたことがわかってきた。
その恋人は病気で亡くなったらしいが、そのことで水樹さんは自分自身を責めているようだった。
なぜ恋人が亡くなったのか、その原因はなかなかつかめなかった。
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