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「柊花、柊花は何も悪くないよ!
僕の腎臓を柊花に提供すると決めたのは、僕自身の判断だからね!」
こう伝えると水樹さんは驚きを隠せないようだった。
「水樹さん、結仁さんに話しかけてください。」
と僕が水樹さんにアドバイスすると水樹さんは、
「結仁のおかげで私は助かったけれど、逆に結仁の命を奪うことになってしまった。
もともと私は体が弱くて結仁は健康だったのに、これでは意味のない腎臓移植だったわ!」
と涙を流しながら話した。
僕が結仁さんの気持ちを、
「そんなことはないよ!
僕の一番大切な柊花の命が助かったんだから、僕は後悔していないよ!」
と伝えると、
「私はもうどうしたらいいのかわからない。
私も結仁のところに行きたい。」
と水樹さんは神妙な面持ちで、少し強い口調で結仁さんに訴えた。
結仁さんの水樹さんに対する強い気持ちを読み取った僕は、結仁さんの気持ちを水樹さんに伝えた。
「それはだめだよ!
僕は柊花に精一杯生きてほしいよ!
柊花、僕の分まで頑張って生きてくれないか?
僕の体の一部は、柊花の体の中でずっと生き続けるから…
僕はいつも柊花の近くにいるよ!」
この言葉を聞いた水樹さんは、少し考え込んでしまったようで、言葉が出なくなって沈黙した。
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