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 しかしながら、だからといって嘘を書き連ねる才能を僕は持ちあわせていない。たぶん、先生にすぐバレる。 「じゃあ、ずっと友達と遊んでいましたでいいでしょ。それか一日中ゲームでもしてればいいわ」  友達と遊ぼうにも実家に帰っていたり家族旅行に出かけていたりして都合があわない。かといって、一日中マンガやテレビゲームにふけるのも疲れる。  というより、夏休みのあいだずっと家でゴロゴロするのはさすがに暇すぎる。休日というのも毎日つづくと苦痛なのだ。 「ねえ。どっかに連れていってよ」  日記のネタ探しを理由にねだってみる。 「黙らっしゃい! うちにそんな余裕はありません」  とたん、一喝された。  嘘だ。一週間のうちに三回も外食する家庭に旅行に行く余裕がないなんてバカげた話、僕は聞いたことがない。  休日はダラダラしてすごしたいというのが、ママのポリシーなもんだから、ママはこんなことを言うのである。  やれやれ。こうなれば、手段は一つしかない。
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