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 次の日、僕とママはパパの操縦する戦闘型宇宙船『ガガウナンダラ』に乗って、家族総出で惑星を侵略しにいった。  突然の侵略者に惑星の人々は驚き、ミサイルやレーザーやらをこれでもかと撃ってきた。もちろん想定の範囲内だ。『ガガウナンダラ』はびくともしない。  当社比二倍の特殊合金製の装甲は簡単に壊れやしない、とはパパの言だ。 「ぬははは。わが社の侵略実績の賜物だ」 「パパ、どうするの?」 「こうするのさ」  僕の問いに、パパは嬉々として答え、操縦レバーの横にあるボタンを押した。  たちまち『ガガウナンダラ』から猛烈な閃光が放たれ、惑星の防衛軍は一瞬で壊滅した。 「ちょっとおー、住民を皆殺しにしないでくれる? 私の楽しみがなくなっちゃうじゃない」  瓦礫の山と化した一帯を船窓から見おろし、ママが文句を言う。  住民がみんな死んでしまっては、ママがわざわざ足を運んだ意味がなくなってしまうからだ。
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