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学校嫌い
「聞いたわよ、柚奈。あんた学校に行ってないんだって?」
ついにバレてしまった。いつかはバレてしまうものだと思っていたけれど、いざ、この時になると、さすがの私も焦る。
「自分の電話で学校に休むなんて連絡して。どうしようもないわね。電話は没収よ!」
これは親が、私に買い与えてくれた電話だ。「何かあったら連絡すればいい」と言われて。ただしガラケーで必要最小限のシステムしか搭載されていないので、周りの子たちが遊んでいるようなスマホのアプリで遊べるとか、そういったわけではない。
「ほら、電話を出しなさい、早く!」
玄関ホールは声が響く。だからなおのこと、母の甲高い声が、いつもより一層、響き渡って耳障りだった。私は母が苦手だ。だから私は母に従った。制服のポケットから、電話を取り出した。母はそれを奪うように取り上げた。
「で、あんた。制服姿でどこに行ってたの!?まさかお母さんに言えないことをしていたわけじゃないでしょうね?」
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