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悪魔が訝しげに僕を見る。僕が悪魔に渡すはラロの魂じゃない。そんなもんじゃ、つまらないし、悪魔も納得しないだろう。
「ラロさん自身をそっちの世界、鏡の中の世界に献上しますよ」
「それには、ラロが契約か呪いを失敗しないといけないんだが、…………なるほど、だからあの質問をしたのか。兄ちゃん、お前やっぱりおもしれぇな」
「ラロさんはメキシコ系だと聞いています。だとするとミドルネームが僕には分からないので、呪うことは難しいんですよ。だから失敗させます。それで、どうしますか」
「もし、兄ちゃんが失敗したら」
「僕を無条件でそちらの世界に連れて行って、好きなようにしていいですよ」
悪魔は下卑た笑顔を俺に向けてきた。よし、完全に釣れた。
「いつ実行するんだ」
「ラロさんが僕に掛けた呪いを告知する日ですね」
「ラロがお前を呪う必要がなければ、ありえない話じゃねぇか」
「ああ、それは問題ないです。すでに布石は打ってありますので、ここ数日には必ず僕のことを呪いますよ」
「用意周到かよ。まあ、面白いからのせられてやるよ」
「ありがとうございます。ラロさんへの罰は僕にも見せてくださいね」
これで準備は全て整った。さあ、真呪教を貰い受けにいこうか。
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