1-2 願ってもない情報

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"四角い部屋で、正確に東西南北の方角に合わせ鏡を二組作るように設置する。 その鏡の真ん中に蝋燭(ろうそく)を立てる。 蝋燭の下に呪いたい相手の名前を赤字で書いた紙を置く。 相手の名前は何人でも一枚の紙に書いて構わない。 指定の時間に指定の方角の鏡を覗く。 0:00北 01:10東 02:20南 03:30西 04:40北 の順番は絶対に間違えないように。 覗く時にだけ、蝋燭をつける。 覗き終わったら息を吹きかけて消す。 最後の北の鏡に炎がバラバラな方向に揺れ動いて見えれば成功。 その時は炎を指で摘んで消す。 成功したら、呪いをかけた相手に"呪いをかけたこと"を告知する。 この呪いは、相手が呪われていることを知っていないと発動しない"  本格的に聞こえる。 "すごいですね、効きそうですね、この呪い" "ほんとだよね。イサカ氏、殺したい相手がいたら試してみてね" "そんな相手がいたら試してみますね(笑)" "試したら、教えてね" 「麗司、ご飯よー」 一階から母親が夕ご飯ができたと声をかけてきた。  呪いの内容も聞けたし、お腹も空いたから一度ログアウトしよう。 "ありがとうございました。今日は落ちます"  僕がログアウトする瞬間に、"あとね"とメッセージが送られてきたように見えたが、ログアウトが完了して続きを読むことはなかった。  少しだけ冷静さを取り戻した僕の心臓。頭の中は、夕ご飯のおかずが何か、最後の"あとね"の続きより、鏡四枚と蝋燭を用意しないとということでいっぱいだった。
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