1,終わりと始まり

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同学年の女子が、会うのも話すのも今日が初めてのはずなのに、私に目をつけてきて、その日から私の私物を隠すようになった。 次の授業の教科書だったり、体育館シューズだったり、私はどうしてこんな事をするのか、思い切って尋ねると、 「そんなの暇つぶしに決まってんじゃん。」 私は、その言葉で再び小学校の頃の記憶がフラッシュバックした。 そして、私は気持ちが悪くなり、我慢ができず、その場で吐いてしまった。 その時は、もう頭が真っ白で、ここにはいられないと気持ち悪さが更に増していった。 こんな所に、あと3年もいたら壊れてしまうと思った私は、たった4ヶ月、夏休み前に辞めてしまい、通信制の中学校へと編入した。 だが、人生で、二度もこんな体験をして、私は再び精神的に追い詰められた。私は、震える体を、支えるようにとにかく、正常保たせるのに必死だった。 そんなある日、母親から話があると、一回の食卓のあるテーブルに呼ばれた。 「風夏、ここの病院に入院してみないか?」 渡されたのは、病院の入院パンフレットだった。 「どうしてこんな物を…。」 「風夏は一度、落ち着いた場所で、ちゃんと生活した方がいいと思って、前からここの病院で相談をしにいってたの。だからね、風夏…。」 私は、パンフレットを机に思いっきり叩きつけ、音がリビング響き渡る。 「どうして…、どうして、私そんな変に見える?私がもっと頑張れば良かったの?私が、もっと耐えれば良かったの?私が、私が…!」 私は、頭が混乱して、泣き叫んでしまった。 辛い気持ちと、何で私がこんな辛い目に合わなきゃいけないのという気持ちが入り混じって、どうすればいいかわからなくなってしまった。 その日は、話は途中で終わり、その日から、私は親ともまともに話せなくなっていった。 カーテンを閉め、暗い部屋で、嫌な記憶を思い出しては泣いての、繰り返しだった。
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