2,もう一つの生活

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病棟まで、エレベーターで行き、廊下を歩き、辿り着くと先生はカードで扉を開けた。自分で言うのもなんだか、それを見たときセキュリティが頑丈すぎて、凄いしか出てこなかった。なぜなら、カードを使って開ける扉が、二重も付いているからだ。監獄かってくらい、圧巻させられた。 そして、ロックが解除され、扉の奥に入ると、同じくらいの人から、小学生らしき子までがいた。 一見、皆普通そうに見えたが、廊下を歩いているまでの視線が全て私にいっていたため、少し緊張して、再び手足の動きが一緒になってしまった。 まずは、自分の部屋いわゆる病室に案内された。最初は、慣れる為に個室が用意された。 中に入ると、部屋は結構広く、予想以上に使いやすそうだった。 「昼ごはんの時間12時くらいまでに、荷物置き終えてといてね。それより前に終わったら、部屋にも出ていいし、自由にくつろいでいいからね。じゃあ、何かあったら声掛けてね!」 そう言い、看護師さんはその場を後にした。 私は、言われた通りカバンから荷物を出し、どこに置こうか悩みながら置く場所考えた。 タンスは一つで、収納場所は10段あるから、本も置けそうだと思い、漫画と小説を最初に置いた。それから、衣類、歯ブラシ、コップ、タオルなど今すぐ使えそうな物は取りやすい場所に置いた。 荷物が全部置き終わり、ひと段落つき、もう昼くらいだろうと思い時計を見たら時刻は11時でまだ30分しかたっていないことに驚いた。 「どうしよう。早く終わりすぎた…。」 私は、急に何もする事がなくなり、どうしよう部屋の周りをウロウロし始めた。 そして、悩みに悩んだ結果、私は部屋から出ることを決意するが、いざ扉の前に立つと緊張した。この先に、他の子供たちがいるって考えると、上手く話せるか、もし相手が嫌がったらと思ってしまったら…。 「うっ…、吐き気が…。」 私は、トイレに駆け込んだ。 本当に人前に出るのは弱くなってしまったなと、改めて感じさせられた。
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