迷い人でも、いつか辿り着けるその日まで

2,もう一つの生活

「何転んでんですか！？」
皆んな笑いながら、ツッコミを入れる中、私もおかしくてつい笑ってしまった。
すると、私は笑ったせいか、少し肩の力が抜け、緊張がいつのまにか溶けていた。
私は、仕切り直しをし、笑顔で自己紹介を始めた。
「佐山風夏です。今日から皆さんと生活する事になりますが、気軽に絡んでくれると嬉しいです！よろしくお願いします。」
私はそう言い、お辞儀をすると、皆んな笑顔で拍手をしてくれた。
「上手く言えた」と私は、嬉しさが混み上がり、言い終わった後も少し笑顔のままだった。
そして部屋に着き、一息着くと早速部屋のノック音が聞こえた。
「どうぞ。」と声をかけると、そこには、採血をしに来た看護師さんがやって来た。
「風夏ちゃん、失礼するね。担当の看護師さんとまだ会ってないから、今連れてきた。」
そう言い、扉の奥から出てきた看護師さんは、さっき思いっきり転けていた眼鏡をかけている男性の看護師さんだった。