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次に意識が浮上したのは、ベッドの上だった。ぼんやりと目を開けると心配そうに覗き込むリアの顔が見えた。
「リア・・・・・・?」
「律・・・・・・! 心配したんですよ。高い熱が続いていて、意識も戻らずに・・・・・・」
少しだけ涙目になったリアが、本当に心配してくれていたのだと感じ嬉しくなる。こんな風に誰かに思ってもらうなんて、この世界に来て初めて感じた人の温もりだった。
「リアが・・・・・・、看病してくれたの・・・・・・?」
声が掠れている。出しづらく、ゆったりとした喋り方になってしまう。まだ熱はずいぶんと高いようだ。
「ルカ様に頼まれました・・・・・・」
「え・・・・・・?」
思わぬ名前にゆったりと頭を動かしリアを見る。
「律を浴室で発見したのはルカ様なんです。着物を着せ、ベッドに運んだのもルカ様です」
「うそ・・・・・・」
「本当です。私も、びっくりしたんです」
ルカなら見殺しにでもしそうだとリアは思ったんだろうな。かくいう俺も、俺が体調を崩していても関係なくやることやって帰るだろうと思ってた。まさか、ベッドに運んだ挙句、看病まで寄越してくれるなんて。意外すぎる対応に虚を突かれる。
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