episode 1

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 身体を弄られる様な感覚で意識が浮上した。寝ぼけた意識でいまいち状況が把握しきれない。頭の中にクエッションマークが飛び交う中で、後孔が強引に押し開かれるような痛みに思わず声が漏れた。 「う、あっ・・・・・・、な、なに」  思わず逃げ腰になりうつ伏せの状態になっている為這いつくばって前へと逃れようとする身体を、何者かの手が引き止める。強引に奥へと押し進められ、抗議の声を上げることもままならない状況に陥っていた。 「い、ってぇ、・・・・・・ま、待って、ちゃんと・・・・・・慣らして・・・・・・っあっ」  それでも、一応はローションのようなものを入れられているのか、グチュグチュと濡れた音が聞こえてくる。後ろを振り向くこともできず、聞こえてくるのは微かな息遣い。  主導権を握られて、好き勝手されるのが一番嫌いなんだよ。  もしかして、この背後にいる男が“ルカ様”って奴か。どんな男だ。ブ男でチビで禿げでデブだったりして。男を囲って、金持ちの道楽みたいなことをしでかすくらいだから、金持ちの爺さんとかか?  最後まで挿りきったのか、動きが止まり、慣らすようにじっとしているその隙に、振り向いて顔だけでも見てやろうと身じろいだ瞬間、腰を掴まれいきなりの抽挿が始まった。 「うあっ、あっ、ちょ、待っ、はげしっ、ゆっくりっ・・・・・・ああっ」  最初から飛ばし気味の抽挿に思わず声が漏れる。俺の必死な静止の声は背中の男には届きもしないようで、その動きが緩まることはなかった。  何度も何度も奥を突きあげられ、声が漏れる。痛みだけだったそこは、気持ちいいことを知っている。すぐに快楽を拾い、痛みを快楽へと変換していった。
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