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四日目の夜。惰性で洗浄まで済ませ風呂から上がると、ベッドに座る人影にハッとする。
「なんだ、来てたのか」
「俺を待たせるとはいい度胸だな」
「だから言っただろ、来るときはちゃんと言えって」
すぐに言い返してやるとムッとした顔が俺を見る。
「お前は、俺に動じもせず言い返すのだな」
「は? 当たり前だろ。俺は言い負かされるのは嫌いなんだ」
「お前は、俺が誰か知らないのか」
「お前お前って、律だって言ってんだろ。腹立つな。誰かって、ルカだろ。聞いたよ」
「そういう意味じゃない」
なんだそれ。怪訝な視線を送ると、「もういい」と遮断された。そういう意味って、ルカの立場とかそういう辺りの話か。知るはずがない。なにも聞かされてないんだから。それとも、知らない方がおかしいくらいの有名人なのか?
ま、どうにしたって、俺には関係ないしどうでもいいことだ。
今日は、ルカに主導権を握らせるもんか。
天蓋のカーテン越しにしていた会話。今は横側から話していたが、ぐるっと正面に向かってカーテンの入り口から入るのが正直面倒だと、カーテンを手繰り上げ、下を潜り抜ける。
「お前は、女役なんだから、少しは淑やかさをもてよ」
「そんな男を求めてるんなら、もっと他の男を選ぶんだったな。残念でした」
そう言いながら、ルカのズボンを脱がしにかかるが、ごちゃごちゃと面倒な衣服に手間取る。
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